2017年1月22日中国当局は政府の許可しないインターネット通信(VPN含む)を厳重に取りしまう方針を発表しました。
▶China tightens Great Firewall by declaring unauthorised VPN services illegal
▶中国がネット規制回避のVPN全面禁止へ、中国在住日本人への影響大
期限付きの2018年3月31日までのキャンペーンということですが、今のところ本当にその期限で終了するのかなどは分かっていません。
インターネットのクリーンアップキャンペーンということですが、VPN接続を禁止にしたことで在中外国人の多くの方が不便になるでしょう。
中国国内でのVPN利用者数は2014年の段階で9000万人を超えており、現在は1億人を突破していると言われています。
▶90 million VPN users in China have accessed restricted social networks
弊社では中国インバウンド対策用ホームページ制作やSNSの運用代行などを行っていますが、中国ローカライズをこれまで以上に徹底する必要が出てきたと感じています。
今回は中国VPN規制に伴い、もう一度考えたい中国インバウンド対策用ホームページ制作の今後を考えてみたいと思います。
目次
中国インバウンド対策用ホームページ制作の今後
以前投稿した下記の記事も合わせて読んでいただけると、より中国インバウンド対策に関して理解していただけるでしょう。
▶中国インバウンド対策用ホームページで気をつけたい5つのポイント
徹底したローカライズ
2018年3月31日までのキャンペーンとはいっても、キャンペーン終了後も再度同じキャンペーンが行われる可能性もあります。
その都度その都度で対応していくよりも、徹底した中国へのローカライズを行ったホームページ制作を行うのが効率的でしょう。
中国インバウンド対策用のホームページであれば、中国国内で利用されているサービスを徹底して使用することが必要不可欠です。
現地サービスであれば、VPN規制や今後の急なインターネット規制の際も影響を最小限に押させることができます。
またローカライズする最大のメリットは「中国人にとって使いやすいホームページ」を作り上げることができるという点です。
日本人にとっては使い慣れていても、中国人にとってそうとは限りません。
ローカライズを徹底して行うことで、中国人にとってストレスの少ないホームページになり、離脱率の低下、CVRの向上に繋げることができます。
インバウンド対策用のホームページを制作するのであれば、中国に限らずローカライズは必須と言えるでしょう。
SNS
「LINE@、Facebookを中国向けに運用しようと思っています」
とおっしゃられるクライアント様が多くいらっしゃいます。
日本国内で人気のあるSNSサービス
- LINE
といったサービスは中国国内では規制されており使用できません。
在中日本人を含め、現地中国人の中でもVPNを使い、アクセスしていた人も多かったのですが、今回のVPN規制でそれもできなくなりました。
※許可されたVPNがあるかもしれませんが、できないと考えておくほうが無難でしょう。
中国には上記のSNSに変わる国内向けSNSが多く存在します。
- 人人網
などなど。
中国インバウンド対策に伴いSNSを運用するのであれば、中国国内のSNSを運用することが重要となってきます。
日本人にとっては馴染みの薄いサービスかもしれませんが、中国国内ではどれも人気のサービスです。
SNSをうまく活用し、インバウンドマーケティングに役立ててください。
動画配信サービス
中国人観光客の需要が、爆買いから体験へと変わってきているのをご存知でしょうか?
観光やアクティビティ、文化体験などを求めるようになってきたのです。
体験をアピールする手段としてホームページに動画を掲載するのはとても有効な手段の一つです。
日本の多くのホームページでもYoutubeにアップした動画をサイトに掲載されています。
中国以外の国に向けたインバウンド対策用のホームページであれば問題ないのですが、中国向けだとそうはいきません。
上記でも述べた通り、Youtubeは中国国内のからアクセスが出来ません。
VPN接続が規制された今、Youtubeももしかしたら見てくれるかもという期待は捨てたほうが無難でしょう。
対策方法としてはSNS運用と同じく、中国国内サービスを活用することで解決可能です。
上記2サイトが中国で最も使われている動画配信サイトです。
どちらか一方にアップロードし、ホームページに掲載することで中国国内向けの対策が可能になります。
サーバー問題
サーバーの問題も合わせて気に留めておくと良いでしょう。
現状中国以外のサーバーであっても規制されることはほぼありませんが、アクセススピードの面で不安が残るのも事実です。
これはサーバー間の距離が離れているのが原因なのですが、メンテナンス性を考えると日本国内のサーバーを使用するのが現実的です。
台湾、香港のサーバーを使用するという手段もありますが、中国語ができない方にとってはハードルが高くなってしまいます。
また中国国内のサーバーでサイトを公開する際ICP申請も必要となるため、書類集めも大変になります。
そういった様々な要因も加味してサーバーを選択する必要がでてきます。
静的サイトでスピードアップ
サイトスピードを少しでも向上させるために、CMSを使用しない静的サイトでの構築が有効です。
ECサイトや、頻繁な更新が見込まれるサイトではWordpressといったCMSを使うのがやはり良いのですが。
そうではない場合は、html/css/jsで構築された純粋な静的サイトでホームページ制作を行うのがよいでしょう。
少しでも軽く、少しでもスピードの早いサイト構築を行うことで、中国からのアクセスをスピードアップさせることができます。
VPNサービスに期待せず、徹底した中国ローカライズを
中国インバウンド対策用のホームページ制作を行うのであれば、徹底したローカライズが不可欠です。
VPNが規制された今、規制解除を待つのではなく、ローカライズを今一度徹底することで長く使えるホームページを作成しましょう。